30年が経ちました。
桃園会とは切っても切り離せない阪神淡路大震災。
1995年1月17日から30年が経ちました。
あの日、深津と同じバイト先だったわたしに朝電話が入りました。
「高速がめげてて、近くでおかんが働いてる。送ってくれる人いるからとにかく行ってくる。会社に休むって言うとって。」
そんなようなことを言われた記憶があります。
部分的に崩れた家に帰り、(後日全壊と指定)そのまま芦屋の自宅近くの避難所で過ごしたそうです。
7年後の2002年にわたしたちは「blue film」という作品を創りました。
震災の記憶の風化と被災地への心理的距離、無事だった自分への後ろめたさをテーマに、明るく楽しくそして切ない作品を。
自分たちにこの作品を演じる権利はあるのか、ネタとして消費しているのではないか、常に自問自答しながら稽古していたことを覚えています。
30年経っても心の傷は癒えない。でも少しでも明るい方を向いていけないか。
なにか出来る事はないかと思い、「blue film」の映像を1月末まで無料公開することにしました。
「blue film」は2012年に再演、2013年に再々演を行いました。
今回は2013年のものをお届けします。
2025年、深津がいない世界ではありますが、きっと彼の言葉が誰かの心を癒してくれると信じています。
桃園会 はたもとようこ